令和3年度 第1回研修会報告

公立学校共済組合 中国中央病院
畑山 秀貴

 令和 3 年 6 月 27 日(日)に広島大学病院 臨床管理棟3階大会議室にて第1回研修会が開催されました。今回も新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の対策を行いながら、会場とWebのハイブリット開催で行いました。会場は32名の参加で、Webは82名の参加でした。
 最初の講演は霞クリニック技師長 上田英弘先生より「コロナ禍における医療支援クラウド -トリアージ外来を経験して- 」のタイトルでPCR陽性の自宅待機者に対して行ったトリアージ外来についてご講演いただきました。移動用CTを病院外に置き一般患者と隔離を行いながらコロナ陽性者を撮影、コロナトリアージ専用に開発されたレポーティングシステムで、医師が現地に赴くことなく安全に読影するシステムの運用など説明していただきました。
 2番目の講演は千代田テクノル線量計測事業本部 古谷一隆様より「水晶体の線量限度について -その引き下げと、DOSIRISの運用-」でご講演いただきました。新たな水晶体の等価線量限度の取り入れ(5年間の平均で20ミリシーベルト/年かついずれの1年においても50ミリシーベルトを超えないことと、十分な放射線防護措置を講じても、なお高い被ばく線量を眼の水晶体に受ける可能性のある者については、一定の期間、眼の水晶体の等価線量限度を50ミリシーベルト/年を超えないこととすること)に伴い、防護メガネの内側に装着できる3ミリメートル線量当量測定対応のフッ化リチウム線量計が紹介され、等価線量が管理基準に近いか超過する者に必要である説明をいただきました。
 3番目に特別講演として広島大学病院放射線科 本田有紀子先生に「放射線診断医はここをみている -泌尿器・婦人科領域編-」をご講演いただきました。腎、腎盂~尿路膀胱、前立腺、子宮の範囲について症例を取り上げていただき、癌取り扱い規約や診断に適切なモダリティーの選択、撮影方法や範囲、造影タイミングについて詳細に説明いただきました。自身の施設の撮影プロトコール設定や読影補助に非常に役立つ内容でした。シリーズ化して他の領域についてもご講演いただきたいと思いました。
 今回のWeb開催も遠方や家庭の都合で、現地会場参加の難しい会員のためには非常にありがたいとの意見も後日いただきました。コロナ禍が落ち着いてもこの形の開催を続けていくのが良いと考えます。

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