放射線治療とは
病気や病気が存在することが疑われる範囲等に対して、 X線 ・ 電子線 ・ ガンマ線などの放射線を当てる治療法です。診断(一般撮影やCT等)で用いている放射線とは異なり、基本的にエネルギーが非常に高い放射線を用いています。
なぜ放射線で治療ができるのか?
正常な細胞と病気の細胞で放射線によるダメージの受けやすさが異なることを利用しています。また、 病気の組織に対して集中的に放射線を当てるように工夫し、正常な組織を守りながら治療を行っています。
ただし、細胞の種類によっては放射線からのダメージを受けにくいものもあるため、全ての病気が適応となるわけではありません。
放射線治療の特徴
手術と比べて肉体的な負担が少ないです
機能・形態を温存しながら治療ができます
放射線治療の種類
外部照射 | 放射線を体の外から当てる治療法です。多くの場合、リニアックという装置(写真参照)で発生させた放射線を用います。放射線治療において主となる治療法です。 | |
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内部照射 | 放射線を出す物質(放射性物質)を体内へ入れて、放射線を体の中から当てる治療法です。内部照射にはカプセル等に入った放射性物質を用いる方法(密封小線源治療)と密封されていない放射性物質を用いる方法(非密封小線源治療)があります。写真は密封小線源治療に用いられる装置の一例です。 |
放射線治療の一般的な流れ(外部照射の場合)
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診察、説明
放射線治療医が問診・診察を行い、各種検査の結果等を参考に放射線治療の適応の有無、最適な治療方法等を判断します。
その後、治療方法、予想される効果や副作用などについて説明し、ご本人(ご家族)の同意が得られた後に以下の準備に入ります。 -
治療体位や固定法の決定、治療計画CTの撮影
放射線治療時の体位や固定法を決定し、固定具の作成、治療計画に使用するためのCTを撮影します。体位や固定法は治療する部位や患者さんの状態にあわせて決定します。
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治療計画の作成、検証
(2)で撮影したCT画像を使用して放射線治療計画装置というコンピュータ上で最適な照射方法の決定および放射線の量を計算します。治療計画装置上の計算が正しいことを確認するために別の方法でも計算し、2重にチェックを行います。
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治療(照射)
治療計画CT撮影時と同じ体位で治療を行います。通常の外部照射にかかる時間は10~20分で、実際に放射線が出ている時間はそのうちの数分程度です。治療回数は治療部位や病気の種類、 患者さんの状態等によって異なり、1~40回程度です。
放射線治療における診療放射線技師の役割
一般的に、固定具の作成、治療計画CTの撮影、治療計画の作成の補助、治療計画の検証、治療(照射)などを診療放射線技師が行っています。また、治療装置の精度を保つための品質管理等も行っています。私たち診療放射線技師は、患者様のお役に立てるようチーム医療の一翼を担って活動しています。